こんにちは!田野整体院の田野悠介です。
本日は小児に関する新型コロナの現在の知見をお伝えしようと思います。
今回ご紹介するのは日本医師会新型コロナ有識者会議に参加されている先生の「個人的な見解」という形で紹介されている文章です。
しかし非常にエビデンスに沿った知見であったので今回ご紹介しようと思います。
ブログでは、必要そうな部分を簡単な解説付きでご紹介します。
詳細は最後にリンクを貼っておきますので確認してみてください。
見解①
新型コロナで小児の占める割合は少なく、そのほとんどは家族内感染である。
見解②
現時点では学校や保育園におけるクラスターの発生はない、もしくは極めて稀である。
〈解説〉
学校生徒や保育園児が感染者と濃厚接触があったにもかかわらず、感染が確認された割合が成人と比べ非常に少ない、という事例が多くあるようです。
見解③
小児は成人と比べて軽症で死亡例もほとんどない。乳児は発熱のみのこともある。10代では凍瘡(しもやけ)様皮膚病変が足先にできることがある。他の病原体との混合感染も少なくない。
〈解説〉
小児はマイコプラズマ、インフルエンザ、RSウイルスなどとの混合感染が少なくない割合で認められているようです。
最近話題の川崎病に似た症状を呈する報告に関してですが、現時点では国内で新型コロナの流行に伴って川崎病の発症が増えたり、川崎病発症例から新型コロナウイルスが検出された報告はないようです。
見解④
SARS-Cov-2(新型コロナのウイルス名)は小児の場合、鼻咽頭より便中に長期間そして大量に排泄される。
〈解説〉
便中の新型コロナウイルスに感染性があるかどうかはまだ証明されていないらしいですが、オムツ替えなどは念の為注意した方が良いかと思います。ちなみにSARSでは便からの感染拡大がありました。
見解⑤
小児の新型コロナ症例は経過観察または対症療法で十分である
〈解説〉
小児に対する抗ウイルス療法は、薬剤の安全性・有効性のデータが非常に少ない、と言うことも背景にあるようです。
見解⑥
新型コロナに罹患した妊婦、そして出産において母子ともに予後は悪くない。垂直感染(母子感染)は稀である。しかし、新生児期の感染は重篤化する可能性もある。
〈解説〉
これも気になる部分だと思います。
現段階では妊婦さんと非妊娠成人との重症度の差はないとのことです。
また赤ちゃんに感染してしまっても予後は悪くないと推定されています。報告によると新生児256名中4名に陽性が確認されましたが、全員軽症で退院しています。
しかし、体内ウイルス量は母親に比べ非常に多く、感染が全身に広がりやすい傾向を示しているようです。今後重篤化する症例が出てくるかもしれません。
見解⑦
学校や保育施設の閉鎖は流行阻止効果に乏しく、反対に新型コロナの死亡率を高める可能性が推定されている。
〈解説〉
学校閉鎖による死亡者の減少は2〜3%程度で、他の対策より効果が小さいようです。そればかりでなく学校閉鎖で多くの医療従事者が仕事を休まなくてはいけなくなってしまうため、反対に学校閉鎖が死亡者数を増加させてしまうと推定されています。
見解⑧
教育・保育・療育・医療福祉施設の閉鎖が子供の心身を脅かしており、小児に関しては新型コロナ関連による健康被害の方が問題となると考えられる。
〈解説〉
これは大きな問題です。世間は学校再開で議論していますが、世の中には療育施設を必要としている子もたくさんいます。そちらにも目を向けるべきです。幼児虐待の増加も問題視されています。家族と過ごす時間が強制的に増えるだけでなく、福祉施設の閉鎖などで逃げ道がなくなっている事も背景にあります。
また予防接種の機会を逃す子供が増えている事も大きな問題となっているようです。一時期話題になった、BCG検査も今回の自粛で受けられない子供も出てきてしまうかもしれないのです。
以上となります。
今回は小児と新型コロナウイルスに関する知見を紹介致しました。
少しでも参考になればと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!